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サービス開始から3週間が経過し、Apple Musicを利用しているユーザーの間で、様々な混乱が生じてきています。いちいち列挙するのも億劫になるほどですが、適当に思いつくまま挙げてみましょう。
  1. iTunes上でプレイリストがだぶって表示されてしまう
  2. いつの間にかiTunesの曲がクラウドの曲と入れ替わってしまう
  3. もともと自分が持っていた曲とクラウド上の曲の区別がつきにくい
  4. アルバムアートワークが変わってしまう
  5. iTunes Storeで購入した曲が「不明なアルバム」と表示されてしまう
  6. iTunes Storeで購入した曲がiTunes上でだぶって表示されてしまう
他にももっとあるとは思いますが、どれも原因を探るのが困難です。原因がわからないから対処の仕方もよくわからず、場当たり的な操作をしているうちに、曲が消えてしまったり、ライブラリがめちゃくちゃになってしまったりするわけです。 

利用規約に何か書いてあるとしても、これをユーザーの自己責任と捉えてもらっては困ります。

使い方の説明がほとんどないわけですから、無料で3ヶ月利用できるとはいえ、このままではApple Musicを継続したいと思う人はそれほど多くはならないのではないでしょうか。早急な改善を望みます。

さて、現状、さまざまな問題を抱えているApple Musicですが、ここでは上記6番の「iTunes Storeで購入した曲がiTunes上でだぶって表示されてしまう」問題について、解決方法を紹介します。2番、3番の問題については、別記事で対処法を説明しているので参考にしてください。

iTunesに曲がだぶる01
今回とりあげるのは、このようにiTunesライブラリのアルバム内に同じ曲がだぶって表示される現象です。一方は「iCloudに保存」され、一方は「iCloudから削除」されているという、矛盾した状態です。

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同じApple IDを登録しているiPhoneやiPod touchではだぶって表示されないため、普段は気づきにくいかもしれません。

問題はiTunesにあるわけですが、解決方法はあります。

なお、この問題が発生する原因については、記事の最後で補足します。

iOS 8.4、iTunes 12.2.1で検証しました。今後アップデートで改善させる可能性があります。また、筆者はiTunes Matchは利用していません。


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【Step1】だぶっている曲の状態を確認する

iTunesでだぶっている曲の右端に雲のマークが付いていますので、まずはそれをチェックして、どのような状態か確認します。

雲のマークの付いた曲をチェックする

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雲のマークにマウスを載せる(クリックしない)と、吹き出しが表示されるので確認します。この場合は「iCloudからダウンロード」と表示されています。

さらにその曲を右クリックして、Windowsの場合は「プロパティ」を、Macの場合は「情報を見る」を選択して、「ファイル」タブを開いてチェックします。

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一番下の欄をチェックします。
  • iCloudの状況=Apple Music……マッチングされた曲
  • 場所=iCloud……iCloudにアップロードされている
以上確認した情報をまとめると、この曲は「iCloudミュージックライブラリにアップロード&マッチングされた曲」であることがわかりました。クラウド上の曲なので、Apple Music解約後にはアクセスできなくなるタイプの曲です。

雲のマークに×印のついた曲をチェックする

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もう一方のだぶっている曲にも、マウスを載せて確認しましょう。ここでは「iCloudから削除済み」と表示されています。上記と矛盾していますが、これを翻訳すると、「iCloudから削除されているが、パソコンには保存されている」という状態です。

同じようにファイル情報をチェックしましょう。その曲を右クリックして、Windowsの場合は「プロパティ」を、Macの場合は「情報を見る」を選択して、「ファイル」タブを開きます。

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一番上に「購入したAACオーディオファイル」とあるのは、この曲がiTunesStoreで買った曲であることを示します。続いて、一番下の欄をチェックします。
  • iCloudの状況=削除済み……iCloudから削除されている
  • 場所……パソコンの「Music」フォルダに保存されている
以上確認した情報をまとめると、この曲は「iTunes Storeで購入し、パソコンに保存され、iCloudからは削除されている」ことがわかりました。つまり、この曲がApple Music利用以前、もともと持っていたオリジナルの曲であることがわかります。

とすれば、問題解決は簡単です。

オリジナルの曲を残し、それ以外の曲は削除する

やることはこれだけです。ただし、間違えて削除しないように、面倒でも上記のようにして、ちゃんと確認しておく必要があります。

【Step2】バックアップしてからiCloudの曲を削除する

オリジナルの曲を残したまま、iCloud上の曲を削除して、ライブラリを更新することで、表示が元に戻ります。実行前に、元データをバックアップしておきましょう。

まず、オリジナルをバックアップしておく

【Step1】で確認したオリジナルの曲は「Music」フォルダに保存されています。WindowsもMacも、「ミュージック」→「iTunes」とフォルダを開いていくと見つかります(iTunes Mediaフォルダにある場合も)。

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アーティスト名のフォルダごと、別ドライブにドラッグしてコピーします。

iCloud上の曲を削除する

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【Step1】で確認したiCloud上の曲を選択し、右クリックから「削除」を選択します。
Windowsの場合は、Controlキーを押しながらクリックすると複数選択できます。Macの場合は、コマンドキーを押しながらクリックすると複数選択できます。

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「iCloudミュージックライブラリから削除してもよろしいですか?」と表示されるので、「曲を削除」をクリックします。

オリジナルの曲だけが残る

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これでライブラリにはオリジナルの曲だけが残りました。相変わらず、雲のマークに×印が付いていて表示が変ですが、これを改めてiCloudミュージックライブラリにアップロード&マッチングすれば、ライブラリが整理されます。

iCloudにオリジナルデータを再送信する

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アルバムアートワーク(または曲)を右クリックして「iCloudミュージックライブラリに追加」を選択します。

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雲のマークが全て消え、表示が元に戻りました。もちろん、だぶりも解消されています。

これで正常な状態のApple Musicに戻りました。あとは特にライブラリをいじったりせず、バックアップしたオリジナルデータを大切に保管しておきましょう。

補足:なぜ、購入した曲がだぶって表示されるのか?

細かい話なので、気になる人だけ読んでください。

考えられる原因は2つ。
  1. iTunes StoreとApple Musicのカタログが統合されていない
  2. iPhone側で購入済みの曲を再ダウンロードすると、iCloudミュージックライブラリ上で別の曲として扱われてしまう。
たとえば、次のような手順を踏むと、同じような症状を発生させることができます。

1.iTunesから曲をアップロード&マッチング
この曲は通常、同じApple IDを登録しているiPhoneやiPod touchなどに表示され、ストリーミング再生できます。正常な状態です。

2.iPhone側で曲を削除する
手順1でアップロードした曲を、iPhone側の操作で削除します。アルバムの右端にある「・・・」をクリックして「マイミュージックから削除」(または「iCloudミュージックライブラリから削除」)を選択します。

3.iTunesで「雲×」マークが付く
すると、iTunesで曲の状態が変化し、雲のマークに×印が付き、「iCloudから削除済み」と表示されます。ただし、iTunesローカルの曲はそのままなので、パソコン上で聴くことは可能です。

4.iPhoneで同じ曲を再ダウンロードする
さらにiPhone側で「iTunes Store」アプリの「購入済み」コーナーから同じ曲を再ダウンロードします。これで再び、同じ曲がiCloudミュージックライブラリにマッチングされます。

5.iTunesにiCloudの曲がだぶって表示される
すると、今度はiTunesに、先ほどiPhoneでダウンロードした曲が同期されていき、まったく同じ曲であるにもかかわらず、だぶって表示されるようになります。

おそらく、曲がだぶっている人は、知らず知らずのうちに、このような手順を踏んでいたのだと思われます。心当たりのある方は、【Step1】【Step2】を参考に、元に戻しておくことをおすすめします。



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