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iPhoneやiPadを購入して初期設定(アクティベーション)を行うさい、「iCloudを使うかどうか」を訊ねられます。iPhoneを初めて使う人は、おそらくここではじめて「iCloud(アイクラウド)」という聞き慣れない用語に出会うことになります。

「iCloudっていったい何?」「どんなふうに使ったら便利なの?」と思う人も多いでしょう。また、ずっとiPhoneユーザーだけど、使い方がよくわからないために、設定していない方も少なくないはずです。

そこで、ここでは、「iCloudの使い方を知りたい!」という人のために、iCloudのサービス概要、しくみ、設定方法についてまとめることにしました。


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iCloudのサービス概要

iCloudとは、iPhoneやiPad、MacやWindowsといった複数のデバイス間で、メール、連絡先、カレンダーなどのデータを、オンラインストレージ上に保存し、ワイヤレスで同期できるサービスです。

Apple IDを持っている人であれば、誰でも無料で5GBのオンラインストレージ(クラウド)が提供され、iPhoneやiPadにIDをセットするだけで、利用を開始することができます。 
 

iCloudが利用できるデバイス

  • iPhone、iPad、iPod touch(iOS 5以降)
  • Macintosh(OS X Lion 10.7.5以降)
  • Windows(「iCloud for Windows 4.0」以降をインストールしたWindows 7、8)
これらの対応デバイスを持っていれば、それぞれに同じApple IDを設定することで、連絡先やカレンダーなどのデータをデバイス間で同期できるようになります。

iCloudのオンラインストレージの容量

  • 5GB(無料)
  • 50GB(月額 130円)
  • 200GB(月額 400円)
  • 1TB(月額 1,300円)
iCloudの利用を開始すると、無料で5GBのオンラインストレージが提供されます。あとから有料で増量できますが、5GBを超過しないように節約することも可能です。

iCloudで同期できるアプリデータ

無料5GBのオンラインストレージには、さまざまなデータが自動的に保存されます。具体的には次のようなアプリ内のデータや履歴がiCloudに保存されます。

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  • 写真、メール、連絡先、カレンダー、リマインダー、Safari、メモ、Passbook……これらはiPhoneの標準アプリですが、そうした日常的によく使うアプリに保存されたデータが、iCloudを利用することで、iPod touchやiPadなど他のデバイスに同期できるようになります。このうち、Safariではブックマーク、開いているタブ、自動入力機能で保存された情報が同期されます。
  • バックアップ……いざという時のために、iPhoneやiPadなどの重要データをiCloudに保存できる機能です。
  • キーチェーン……Safariの「自動入力」機能で保存されたパスワードやクレジットカードの情報をiCloudに保存し、複数のデバイス間で同期できる機能です。
  • iPhoneを探す……iPhoneを紛失したり盗難に遭った場合、iCloudを利用して位置情報を特定したり、本体をロック&消去できる機能です。
  • iCloud Drive……Keynote、Pages、Numbersなどの書類の他、PDFや画像などのファイルをiCloudに保存して、複数のデバイス間で同期できます。iCloudに対応したサードパーティ製アプリでも利用可能です。
  • ストアで購入したコンテンツ……App Store、iTunes Store、iBookstoreで購入したアプリ、音楽、映画、電子書籍を、iCloudが設定されているすべてのデバイスから無料で再ダウンロードできます。
  • ファミリー共有……最大6人までの家族で、上記のようなストアの購入物をシェアできる機能です。Apple Musicの支払いも、家族の代表者にまとめることで、1人の支払いで6人まで利用することもできます(使い方はこちら)。
  • ミュージック……「iCloudミュージックライブラリ」をオンにしているデバイス同士で、曲、アルバム、プレイリストを同期できます。iOS 8.4以降対応。
Apple Musicと「iCloudミュージックライブラリ」の詳細は別記事を参照ください。

iCloudの同期のしくみ

iCloudを設定している複数のデバイスで、アプリのデータはどのように同期されるのでしょうか?同期の流れを図にすると次のようになります。

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図が示すように、1つのデバイスに保存したデータは、他のデバイスにも即座に同期されます。たとえば、iPhoneで「カレンダー」アプリに予定を追加すると、iPadやMacの「カレンダー」アプリにも同じ予定がほぼリアルタイムで同期されます。特別な操作は必要ありません。ユーザーはただどれか1つのデバイスで「カレンダー」アプリに予定を追加しさえすればいいのです。予定は自動的にiCloudに保存され、オンラインストレージ(クラウド)を経由して、他のデバイスにも同じ予定が表示されます。

このような「ほぼリアルタイム」の同期のしかたを「プッシュ」といいます。データの変更がサーバーに届いた時点で、その変更点を別のデバイスにプッシュするという意味です。プッシュされるから、同期も早く終わるというわけです。

iCloudの設定方法と同期の実例

それでは実際に、iCloudを複数のデバイスにセッティングして、どのようにデータがプッシュ(同期)されるのか体験してみましょう。

ここでは、iPhoneとiPadという2つの異なるデバイスでiCloudを設定し、「カレンダー」に追加した予定がどのように同期されるのかを順番に紹介します。手持ちのデバイスで同じように設定し、実践してみてください。
 

1.iCloudの設定にApple IDをセットする

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iPhoneのホーム画面にある「設定」をタップします。

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画面を下にスクロールして「iCloud」をタップします。

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上部の空欄にApple ID(メールアドレス、パスワード)を入力して「サインイン」をタップします。

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「SafariのデータをiCloudにアップロードして結合します」と表示されたら、「結合」をタップします。「結合」をタップすると、複数デバイス間でブックマーク、タブ、ブラウザの自動保存を同期できます。ここで「結合しない」を選択すると、同期はされません。

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「位置情報の利用を許可しますか」と表示されたら、「OK」をタップします。「OK」をタップすると、「iPhoneを探す」という機能が利用できるようになります。「許可しない」をタップすると、その機能は利用できなくなります。「OK」を選択するのがおすすめです。

2.標準アプリのスイッチをオンにする

Apple IDでサインインすると、自動的に前の画面に戻ります。

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ここでは、複数デバイス間で同期可能な項目がアプリ別に表示されていますが、初心者におすすめなのは、ピンク色で囲んだ部分をオンにすることです。それ以外の項目は、使い方がじゃっかん難しいため、慣れてきたらオンにするのをおすすめします。それぞれの項目の使い方については今後、別記事を用意する予定です。

3.無料のiCloudメールを取得しておこう

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iCloudの設定で「メール」をオンにすると、「ユーザー名@icloud.com」という形式の無料メールアドレスを取得できます。無料で使えるので、ぜひ作成しておきましょう。

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「name」の部分に、好きなユーザー名を入力します。誰も使っていないユーザー名であれば、その名前でメールアドレスがもらえます。

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ここで作成したiCloudメールは自動的に「メール」アプリにセットされ、そのアドレスがすぐに使えるようになります。

4.他のデバイスでも同じiCloudの設定を行う

iPhoneでiCloudの設定を終えたら、他のデバイスでもまったく同じ設定を行います。

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たとえばiPadなら、「設定」アプリから「iCloud」を選択して、iPhoneと同じApple IDでサインインします。さらに、同期する項目も、iPhoneとまったく同じ部分をオンにしておきます。

他に、iPod touchなどを持っている場合も、同じように設定しておきましょう。WindowsやMacの場合は、設定方法が異なりますので、それはまた別記事で説明します。

5.たとえば「カレンダー」の予定を同期する場合

設定が終わったらさっそくアプリ内データが同期できるかどうか試してみましょう。

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たとえば、iPhoneの「カレンダー」アプリに予定を追加します。

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すると、ほぼリアルタイムで、同じiCloudの設定をしているiPadの「カレンダー」アプリに先ほど追加した予定が表示されました。特別な操作はしていません。ただ予定を追加するだけで、他のデバイスにも同じようにデータがプッシュされます——これがiCloudの効果です。

もちろん、逆の場合も同様です。先ほどの予定をiPadから編集して「カレンダー」アプリを閉じれば、iPhone「カレンダー」の予定も自動的に同じ状態に同期されます。

まとめ

このようにiCloudを利用すると、アプリ内のデータを複数のデバイス間で、簡単に同期できるようになります。もちろん、「カレンダー」に限らず、「リマインダー」「メモ」「連絡先」などのデータも同様です。

同期に時間がかかる場合もありますが、少し待てば同期されます。かなり便利なので、使ったことのない人は、とりあえず、上記のおすすめの項目だけでも利用してみましょう。


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