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写真:http://www.apple.com/jp/watch/

ランニングやウォーキング、サイクリングやヨガ、筋トレなど、定期的な運動を心がけている人も多いと思います。

運動をする目的は人によって様々でしょうが、私の場合はもっぱら健康維持・体調管理・ストレス解消のために、週に一回筋トレをしています。

以前はiPhoneを利用してランニングの計測をしていましたが、Apple Watchを購入してからは筋トレメインにシフトしました。理由は、有酸素運動がなかなか続かないこと、さらにApple Watchがあれば、それだけで心拍数、消費カロリー、運動時間、移動距離などをチェックできるようになったからです。

iPhoneではなく、Apple Watchを使うメリット

iPhoneをウェストポーチに入れてランニングしていた時には、GPSやモーションコプロセッサによって計測される運動時間・距離・歩数、そして各種センサーやアプリの機能によって総合的に推計された消費カロリーを知ることができました。しかし、こと筋トレとなると、そうはいきません。GPSやモーションコプロセッサでは、心拍数を計ることはできないからです。

その点、Apple Watchは手首に直接LEDライトを照射することにより、心臓が1分間に鼓動を打つ回数ーー心拍数を計測できます。これにより、自室で黙々とダンベルを上げ下げするという移動距離をともなわない作業でも、消費カロリーを知ることができるようになりました。

何より、Apple Watchの利点は、「それ単体で」消費カロリー、運動時間、平均心拍数をチェックできることです。仮にトレーニングジムにiPhoneを忘れても、Apple Watchを身に付ける習慣があれば記録することができます。そこで計られた運動データは、あとでiPhoneの「アクティビティ」アプリに自動的に記録されると同時に、最終的には「ヘルスケア」アプリに統合されます。

定期的な運動をしている方には、とても気になるデバイスに違いありません。

というわけで、ここでは私が週一回の筋トレで、どのようにApple Watchを活用しているのかを紹介します。もちろん、ランニングやサイクリングなど、他のスポーツをメインに活動されている方にも参考になるよう、補足説明を加えながら進めていきます。

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1.Apple Watch標準アプリ「ワークアウト」を活用する

Apple Watch単体で消費カロリー、運動時間、心拍数を計測するには「ワークアウト」アプリを利用します。はじめからApple Watchにインストールされているので無料で使えますし、Watch OSのネイティブアプリなので、iPhoneがなくても快適に動作します。

AppleWatchのススメ02
運動を始める前に、ウォーキングやランニングといったメニューを選択するだけで、計測を開始できます。基本的な使い方については別記事で詳説していますので、そちらを参考にしてください。


ただし、このアプリには現状、筋トレ用のメニューが用意されていません(2015年9月17日現在)。そこで筋トレをメインに運動している場合は、「フリー」を選択します。

AppleWatchのススメ03
「フリー」でも、心拍センサーをもとにした消費カロリー(アクティブカロリー)を計測できます。また、運動時間や移動距離も記録可能です(移動距離の正確な測定については後述)。

筋トレ用のメニューは現状ないのですが、消費カロリーや運動時間を知ることができるため、その点は便利でしょう。これは他のメニューにない運動(ヨガとかテニスとかトレイルランニングとか)の目安にもなるでしょう。

2.最大心拍数の把握が効果的なトレーニングの目安になる

効果的なトレーニングの目安は、だいたい最大心拍数の72~87%程度と言われています。

自分の年齢に応じた最大心拍数を計算するには、次のように行います。

最大心拍数の計算方法
220ー年齢=最大心拍数

例1)30歳の場合
220ー30=190(最大心拍数)

例1)40歳の場合
220ー40=180(最大心拍数)

効果的なトレーニングの心拍数
最大心拍数の72~87%

例)30歳の場合
190×0.72=136.8
190×0.87=165.3
→運動に効果的な心拍数=136~165

例)40歳の場合
180×0.72=129.6
180×0.87=156.6
→運動に効果的な心拍数=129~156

この数字は、あくまでトレーニング効果を出すための数値です。筋肉を付けるとか、持久力を付ける、タイムを縮めると行った明確な目的がある場合に、効果のある数値と言うことです。

無理のない運動の心拍数
健康維持のための運動としては、もっとゆるい心拍数で構いません。たとえば、最大心拍数を100以上維持しながら30分運動をするーーというのが、健康維持の目安になると言われていますので、だいたい「60%」ぐらいで考えれば無理がないでしょう。

例)30歳の無理のない運動
最大心拍数190×0.6=114

30歳の方は、Apple Watchの平均心拍数を114前後をキープして30分運動する、というのが無理なく健康を維持するための心拍数の目安になります。

例)40歳の無理のない運動
最大心拍数190×0.6=108

40歳の方は、Apple Watchの平均心拍数を108前後でキープして30分運動する、というのが無理なく健康を維持するための心拍数の目安になります。

AppleWatchのススメ04
「ワークアウト」アプリで、どの運動メニューを選んでも、画面を左右にスワイプすると、現在の心拍数を確認できますので、ランニングでもウォーキングでも、もちろん筋トレでも、「ちょっとペースを上げよう」とか「無理しすぎだな」という目安にできます。

これは心拍センサーが付いているApple Watchならではの機能です。

Apple Watch単体でより正確な移動距離のデータを取るには?

Apple Watchには現状GPSが搭載されていないため、移動距離や歩数の計測にペアリング済みのiPhoneのGPSを利用し、歩幅を補正することでデータを取得します。しかし、何度かiPhoneと一緒に「ワークアウト」を使っているうちに、過去のデータに基づき、Apple Watch単体でも距離を算出することができるようになります。

これはGPSが利用できない室内でも「ワークアウト」の記録を取るための措置です(参考:「Apple Watchユーザガイド」)。

移動をともなわない筋トレなら心拍数が目安になりますが、ランニングやウォーキングの移動距離をApple Watch単体で計測したい方は、まずは何度かiPhoneと一緒に計測をし、その後単体で試してみてください。

3.「ワークアウト」で記録されたデータの管理方法

「ワークアウト」アプリで記録された消費カロリー、移動距離、平均心拍数などの計測データは、ペアリング済みのiPhoneに転送され、「アクティビティ」アプリに記録されます。

アクティビティに記録する

「アクティビティ」アプリはApple Watchとペアリングすると、iPhoneに自動インストールされるアプリです。

AppleWatchのススメ05
これはWatchを身に付けているユーザーの活動量を「ムーブ」「エクササイズ」「スタンド」という目安によって計測し、毎日自動的に記録してくれます。

詳しい使い方は次の記事を参考にしてください。


通常、「アクティビティ」は日々の活動量を知り、運動不足の気づきを与えてくれるものですが、「ワークアウト」によって記録された運動データも自動保存されます。

AppleWatchのススメ06
たとえば、「ワークアウト」で運動量を計測したあと、「アクティビティ」でその日の活動量を開くと、画面の下のほうに「ワークアウト」という項目が追加されます。

AppleWatchのススメ07
タップして開くと、その日Apple Watchの「ワークアウト」で計測した記録を確認できます。上は筋トレをしたときの記録です。

4.「ヘルスケア」で総合的に運動量を把握する

「アクティビティ」アプリに記録されるのは、あくまでもApple Watchで計測した活動量・運動量ですが、それらの計測データは自動的にiPhoneの「ヘルスケア」アプリに合算されます

「ヘルスケア」はモーションコプロセッサを搭載しているiPhone 5s以降のモデルで利用できるアプリです。iPhoneを持ち歩くユーザーの歩数、ウォーキングとランニングの距離、上った階段の数(6シリーズ以降)を自動記録します。

AppleWatchのススメ08
Apple Watchで計測された活動量・運動量は、「アクティビティ」から「ヘルスケア」へと合算されるため、ユーザーがその日どのような活動・運動をしたのかを総合的にチェックする事ができます。

たとえば、Apple Watchだけを装着している時間、iPhoneだけを携帯している時間というものも存在するはずですが、「ヘルスケア」をチェックすればApple Watchで計測した心拍数、iPhoneで計測した上った階段の数など、各デバイスで個別に記録したすべての活動・運動量を知ることができるわけです。これは非常に便利です。

また、「ヘルスケア」は他社製アプリと連係し、体重や体脂肪率、睡眠時間、安静時消費カロリー、摂取カロリーなどを記録・管理することもできるトータル・フィットネスアプリです。



AppleWatchのススメ09
「アクティブエネルギー(消費カロリー)」「安静時消費エネルギー(カロリー)」「摂取カロリー」などを表示できるため、ダイエットしている人にも有効なアプリです。

まとめ:定期的に運動をする人に、Apple Watchをすすめます

このように、Apple Watch単体で記録された運動データは、最終的にはiPhoneの「ヘルスケア」へと統合され、iPhoneのモーションコプロセッサ及び多種のフィットネス系アプリから収集されたデータと1つになります。

ダイエットしている人の記録管理に有効なのはもちろんですが、定期的な運動を心がけている人にも便利です。何より、自分で計測したり、メモをしたりする手間が圧倒的に省けるのがポイントです。

その日の消費カロリーも、基礎代謝も、食べた分のカロリーも、運動中の平均心拍数も、全部「自動的に記録される」からです。

Apple Watchをファッションの視点からばかり眺めていた人は、ぜひ健康維持やスポーツの側面から眺めてみてください。そうすれば、このデバイスの新しい魅力を再発見できるのではないでしょうか?

1つか2つ、自分にとって便利な機能が見いだせれば、たんなるファッション&ガジェットを超えたところでApple Watchとつきあえると思います。



補足:Apple Watchを買うとしたら何がおすすめ?

普段スーツを着ている人
会社勤めなどでスーツを着る必要がある人なら、「ステンレススチール製のApple Watch」がおすすめです。ボディとバンドの組合せは公式サイトにありますので、チェックしてみてください。

普段は高級感のあるステンレス製のApple Watchを身に付け、運動するときだけ、スポーツバンドに交換すればOKです。バンドの交換は慣れれば10秒ぐらいでできますので、面倒なことはありません。

参考:Apple Watchのバンドを交換する方法 

普段ラフな格好をしている人&運動メインの人
ご自身の好みに応じて、好きなモデルをお選びください。ただし、運動するときは、スポーツバンドに交換した方が楽です。

いずれの場合もAppleの直営店や量販店のApple Shopで試着もできるので、店員さんに相談しながら検討するといいと思います。

さらなる補足1:「ヘルスケア」に安静時消費エネルギーを表示させるには?

私はWithingsの「Health Mate」アプリを利用しています。「Health Mate」に記録した年齢、性別、身長、体重をもとに自動計測された安静時消費エネルギーは、「ヘルスケア」に連係させることが可能です。


安静時消費エネルギー(=基礎代謝率BMR)
安静にしているだけでも自動的に燃焼されるカロリーの量をいいます。眠っていたり、椅子に腰かけたりしている間にも、勝手に消費されていく基礎的なカロリーです。

さらなる補足2:「ヘルスケア」に摂取カロリーを表示させる

私は「My FitnessPal」を使っています。食事をカロリーと共に簡単に登録できます。データベースは日本語にも対応しているので、使い込めば三食の記録はラクになるでしょう。この摂取カロリーも「ヘルスケア」に連係可能です。

さらなる補足3:「ヘルスケア」に体重・体脂肪率・BMIを表示させる

これは上記の「Health Mate」で可能です。また、次の記事では、「PopWeight」を利用した連係方法を紹介しています。


さらなる補足4:自宅の筋トレでは何を使ってる?

詳しい使い方は省きますが、次の器具を使っています。

YouTubeなどを見ながら正しいフォームを覚え、各部の筋肉を鍛えてみてください。フォームが間違ってたら、筋トレする意味ないです。

腹筋はローラーがあると、楽です。腹すぐに引っ込みます。へっこんだら週に一度で腹筋キープです。

腰を痛めないよう、これを使う場合も、YouTubeを見ながら正しいフォームで使って下さい。 

もちろん、Apple Watchを装着するのを忘れずに……。

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