第3世代の発売から約3年ぶりのリニューアルになります。
見た目は、高さが倍くらいになり、分厚くなっています。また、付属のリモコンも大きく変わっています。
いったい、これまでのモデルと何が違うのでしょうか?
新モデルの新機能をざっとまとめると次のようになります。
買うかどうか迷っている人も多いと思われますので、ぜひ参考にしてみてください。
新モデルの新機能をざっとまとめると次のようになります。
- tvOSに対応し、App Storeが利用可能になった
- 32GB・64GBのストレージを内蔵した
- Siri(声)で操作できる新しいリモコンが登場した
- 他社製ゲームコントローラの接続に対応した
- Apple Musicが再生できるようになった
- ファミリー共有が利用できるようになった
買うかどうか迷っている人も多いと思われますので、ぜひ参考にしてみてください。
※2015年11月10日現在の情報です。アップデート等で仕様が変更になる場合があります。
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新機能1:tvOSを搭載、App Storeが利用可能に
第4世代Apple TV最大の特徴は、デュアルコアのA8チップを内蔵し、tvOSを搭載したことです。これにより、まるでiPhoneのように、App Storeからアプリがインストールできるようになりました。
新型Apple TVのApp Store。ユーザーが好みのアプリをインストールできるようになりました。
第3世代のApple TVがプリインストールアプリしか利用できず、ソフトウェア・アップデート頼みだったことを考えると、機能拡張の面ではたいへんな進化です。対応アプリが増えれば増えるほど、Apple TVでできることが増えていくからです。また、それまでAirPlayミラーリングを利用してのみ楽しめたゲームアプリが、iPhone 6&6 Plusと同じA8チップを内蔵したことで、オフラインでバリバリ動作するようになりました。
ただし現状、tvOSに対応したアプリは非常に少ないです。App Storeでアプリを検索しても、お目当てのアプリはまずヒットしません(2015年10月31日現在)。
新機能2:32GBと64GBのストレージが選べる
tvOSを搭載し、アプリがインストールできるようになったということは、内蔵ストレージが必要です。
そう、第4世代Apple TVは32GBまたは64GBのストレージを内蔵するようになりました。当然、容量によって価格も異なります。
32GB……18,400円(税込19,872円)
64GB……24,800円(税込26,784円)
リンク:Apple公式サイト
「Apple TVユーザガイド」によると、現状ストレージを消費するのは、アプリのみのようです。
容量を消費しているアプリを確認するには、「設定」→「一般」→「使用状況」→「ストレージ」を開きます。ここから不要なアプリを削除できます。
Apple TV では、ビデオや音楽はストリーミングされますが、App はローカルに保存されます。Apple TV にダウンロードする App が増えるほど、使用されるストレージが増えていきます。
容量を消費しているアプリを確認するには、「設定」→「一般」→「使用状況」→「ストレージ」を開きます。ここから不要なアプリを削除できます。
iTunes Storeで購入済みの映画や音楽はダウンロードできず、Wi-Fi経由のストリーミング再生になりますので、この欄には表示されません。
つまり、32GBか64GBの選択の目安は、「アプリをどれだけインストールするか」によって決まると言えます。
新機能3:Siri(声)で操作できる新しいリモコンが登場
もう1つ、第3世代との大きな違いは、リモコンの進化です。
左が新型Apple TVのリモコン「Siri Remote」。右が旧モデル用「Apple Remote」。
新しい「Siri Remote」はその名の通り、Siriを起動するためのボタンと、声を拾うためのマイクが搭載されています。
Siriボタンを押しながらマイクに向かって話しかけると、iPhoneと同じようにさまざまな質問に答え、操作を代行してくれます。
たとえば、「今日の天気は?」と聞けば現在地の天気を、「アクション映画を探して」と聞けばiTunes Storeから該当する映画を、「アカウントの設定を開いて」と聞けば設定を開いてくれます。
リモコン操作は意外と面倒なのですが、Siriをうまく使うことで、画面移動がラクになります。
また、ボタンの上部にある黒いスペースはガラス製の「Touchサーフェス」です。これはiPhoneのマルチタッチディスプレイのように、スワイプによってカーソルの移動や映画・音楽のスクラブ操作が行えます。クリックできるようになっており、カーソルを合わせた項目を選択・決定できるようになっています。
参考:Apple TV用リモコン「Siri Remote」の使い方
ゲームコントローラになる
参考:Apple TV用リモコン「Siri Remote」の使い方
ゲームコントローラになる
リモコンには加速度センサーとジャイロスコープが内蔵されており、対応ゲームなどはリモコンを傾けたり、振り回したりして、いわばWiiリモコンのような操作が可能です。リモコンが飛んでいかないように、手首に巻き付けて固定するストラップ「Remote Loop」も別売されています。
新機能4:他社製コントローラに対応
どれだけ需要があるのか不明ですが、第4世代Apple TVでは、MFi(Made for iPhone、iPod、iPad)認定を受けた他社製ゲームコントローラのBluetooth接続にも対応しています。
こちらは公式Online Storeで販売されている「SteelSeries Nimbusワイヤレスゲームコントローラ」。基本的に、tvOS対応ゲームアプリは、Siri Remote(リモコン)での操作が可能ですが、今後こうしたコントローラーでバリバリ遊ぶのに適したアプリが登場してくるのかもしれません。
新機能5:Apple Musicに対応
2015年7月1日からサービスが開始されたApple Musicも、新型Apple TVで楽しむことができます。
iPhoneやiTunesと同じように、For You、New、Radio、マイミュージックが利用できます。
既にメンバーシップに登録している人なら、アカウントの設定でiTunes Storeにサインインするだけで、すぐに使えるようになります。
マイミュージックを開き、「iCloudミュージックライブラリ」をオンにすれば、iPhoneなどとライブラリが同期され、CDからリッピングした曲やプレイリスト、iTunesStoreで購入した曲などをApple TV上で楽しむことができます。
第3世代Apple TVでは、iOSのAirPlayを利用してApple Musicの曲を聞けますが、iCloudミュージックライブラリやtvOS上での利用はできません。
新機能6:ファミリー共有が利用可能に
iTunes Storeにサインインしたアカウントがファミリー共有の管理者だった場合、自動的にファミリーのApple IDが設定に表示されます。
たとえば、App Storeで「購入済み」→「ファミリー共有」と開くと、家族が購入したアプリにアクセスできます。同じように、iTunes Storeで購入した映画も利用可能です。
ただし現状、iTunes Storeで購入したミュージックは共有できません。
また、写真の共有はiCloudの設定で「iCloud写真共有」をオンにしていれば、利用可能です。
購入済みアイテムに関しては、現状アプリと映画のみで、音楽には対応していないのですが、いちおうこれも第4世代Apple TVならではの機能です。
第3世代Apple TVと共通の機能
ここまで第4世代オンリーの新機能を紹介してきましたが、第3世代から引き継がれた機能も健在です。次のような機能が利用可能です。
- ホームシェアリング……パソコンのiTunesライブラリにアクセスし、動画や音楽をWi-Fi経由でストリーミング再生します。
- AirPlay……iPhoneやiPadなどiOSデバイスの動画、音楽、写真、レンタルした映画などをWi-Fi経由でストリーミング再生します。
- AirPlayミラーリング……iPhoneやiPadなどiOSデバイスのあらゆる操作画面を、Wi-Fi経由でテレビに映し出します。
これらはApple TV最大の魅力といっても過言ではない、使用頻度の高い、極めて実用性の高い機能です。当然、第4世代にも搭載され、従来と同じように使えます。
なお、第3世代Apple TVを利用したAirPlayの使い方は、次の記事を参考にしてください。
第3世代にあって第4世代Apple TVにはない機能
最後に、第3世代にあって第4世代にはない機能を紹介します。これがけっこう重要な機能だったりするので、買うかどうか迷っている方はぜひとも参考に。
光オーディオ出力ポートがない
第4世代Apple TVには、それまで利用できた光オーディオケーブルを差し込むポートがなくなりました。
新旧のモデルの背面ポートを確認すると、第3世代にあったはずの光オーディオポートがありません。その代わり第4世代にはサポート用のUSBポートがUSB-Cに変わっています。
それ以外のポート類は、電源、HDMI、有線LANポートが搭載され、従来と同じです。
私はそれまで、Apple TVの音声をこの光オーディオポートを利用してミニコンポのスピーカーに出力していましたが、このおかげで利用できなくなりました。
第4世代の音声出力は、HDMIを利用するか、別途Bluetooth対応のスピーカーまたはヘッドフォンを利用することになります。
Remoteアプリが使えない(※tvOS 9.1から使えるようになりました)
第4世代のApple TVは、iOS用リモコンアプリ「Remote」に現状非対応です。
iTunes Storeの説明には「注意: RemoteはApple TV(第3世代以前)のみと互換性があります」と記されており、第4世代では使えないことがわかります。
iTunes Storeの説明には「注意: RemoteはApple TV(第3世代以前)のみと互換性があります」と記されており、第4世代では使えないことがわかります。
RemoteはiOSデバイスからiTunesライブラリやApple TVをマルチタッチで操作できるアプリです。スワイプによってカーソル移動できたり、ソフトウェアキーボードから入力できたりして便利です。
特に、文字入力にiPhoneのソフトウェアキーボードが利用できるのでたいへん重宝していました。これが現在使えません。
iOS用Remoteが使えないということは、同時にApple Watch用のRemoteアプリも使えなくなりました。
新しいリモコン(Siri Remote)が同様の機能を搭載したことが影響しているのかもしれませんが、文字入力があまりにも不便ですし、現状音声入力にも対応していないことを考えると、早急な対応を望みます。
※tvOS 9.1から正式にサポートされています。こちらの記事をどうぞ。
Bluetoothキーボードが使えない?
第4世代Apple TVはMFi認定を受けたゲームコントローラほか、ヘッドフォンなどのBluetoothデバイスの接続に対応しています。
そこで、第3世代で接続可能だったBluetoothキーボードをつなごうとしたところ、新型では検出されませんでした。(上は第3世代の画面)
MFiに対応していないからか、何か他に理由があるのかは不明ですが、文字入力のとき、物理キーボードが使えないと不便です。もし「接続できたよ」という方がいましたら、コメント欄で教えてくださると嬉しいです。
追記:2015年11月6日
TouchLabによると、新型Apple TVはBluetoothキーボードに非対応ということです。
→ 新Apple TVはBluetoothキーボードの接続に非対応
追記:2015年11月6日
TouchLabによると、新型Apple TVはBluetoothキーボードに非対応ということです。
→ 新Apple TVはBluetoothキーボードの接続に非対応
Huluが使えない(※使えるようになりました)
第3世代Apple TVでは、デフォルトでチャンネルに入っていた「Hulu」が第4世代ではなぜか使えなくなっていました。
第4世代のApp Storeの「購入済み」にHuluアプリが入っており、使えるのかと思って選択すると画面が固まったまま動かなくなります。
Huluのお客様サポートセンターによれば、対応準備中とのことで、将来的には使えるようになるようです(2015年10月31日現在)。暫定的に再生する方法は次の記事を参考に。
参考: 新型Apple TV(第4世代)で「hulu フールー」を楽しむ方法
※2015年12月1日 、正式に対応しました。次の記事を参考にどうぞ!
→ 新型Apple TV(第4世代)に正式対応した「Hulu フールー」の使い方
まとめ:結局どれを買えば満足できるのか?
以上、旧モデルとの違いを踏まえ、新型Apple TVの新機能や特徴を紹介してきました。
最後に、Apple TVを買うかどうか迷っている方へ、第2世代からApple TVを愛用してきた者として参考になること書きます。
32GBか? 64GBか?
第4世代Apple TVで、現状ストレージを消費するのは、アプリだけのようです。
動画や音楽はすべてストリーミングになるため、どれだけアプリをインストールしたかによって空き容量が変わってきます。
とはいえ現状、tvOS対応アプリはごく少数です。アプリは基本、iOSデバイス用がベースとなっていて、その移植版みたいなものです。購入システムもApple IDに紐づけらているため、iPhoneで購入したものが「購入済み」に表示されます。そのため、この「購入済み」欄をチェックする事で、おおよそどれくらいの数のアプリがtvOSに対応しているか想像することができます。
私はiOSデバイス用アプリを約2,800本ダウンロードし、購入履歴がiTunesに残っているのですが、そのうちApple TVの「購入済み」に表示されたのは、わずにかに18本でした。それも、使いたいアプリがほとんどなかったというのが現状です(2015年11月10日現在)。
今後、tvOS対応アプリは増えてくると思いますが、現状これだけアプリの数が少ないと、32GBのストレージでも余りすぎるほど余ることになるでしょう。
というわけで、64GBか32GBか迷っている方は、「使いたい対応アプリの数」によって決めるのが判断基準になります。特に今後、tvOSのウリの1つであるゲームアプリがどれだけ対応し、どれだけインストールする予定になるのかによって変わってくると思います。
第3世代か? 第4世代Apple TVか?
これまで紹介してきた第4世代Apple TVの新機能に、お金を支払う価値を認めるかどうかによって変わってくると思います。
第3世代のApple TVは、いまだ現役で販売されています。新モデルの登場で撤退したわけではなく、好きなモデルを選べるようになっているわけです。
リンク:Apple公式サイト
価格はたったの8,200円(税込8,856円)と、新モデルと比べて1万1千円安くなっています。この差額を支払ってまで、SiriとかtvOS対応アプリ、Apple Musicとかを使いたいかどうかですね。
第3世代Apple TVは、ホームシェアリング、AirPlay、AirPlayミラーリングに対応しており、パソコンのiTunesライブラリおよびiOSデバイスのコンテンツを、Wi-Fi経由でテレビに映すことができます。また、iTunes Storeのレンタル映画、購入済みの映画と音楽を再生することも可能です。
つまり、tvOSがなくても、それらの機能によって「代用」できることが非常に多い。特にAirPlayミラーリングは、iOSデバイスの操作画面をまるごとテレビに映し出すことができるため、KeynoteもPowerPointもニコニコ動画もHuluでKindleだって使えます。「tvOS対応アプリ」ということを考える必要がないのは楽ですし、何よりiPhoneのストレージが許す限りのアプリを、テレビに映し出すことができるのです。
もちろん、tvOS固有の操作方法、楽しみ方もあるのでしょうが、それは今後の話です。
「とりあえずApple TVを使ってみたい」という方は、第3世代を選択すると、コスパが高く、満足度が高いのではないでしょうか。
ただし、第4世代Apple TVの足りない部分ーー対応アプリが少ない、RemoteやHuluが使えない等ーーは、時間が経つにつれて解消される可能性が高いです。つまり、そのうち第4世代のほうが「大は小を兼ねる」ことになるはずです。結果として、新旧モデルの違いは「光オーディオポートの有無」「Siri Remote」「余分なストレージがある」という物理的な差異だけになるでしょう。その時、「新しいほうを買っておけばよかった!」となるのが嫌な人は、今のうちに第4世代を購入し、ソフト的な対応を待つーーというのがベターかもしれません。
※RemoteとHuluは2015年12月中にすべて「対応」となりました。また、tvOS対応アプリの数も順調に増えていますので、2015年末時点でのおすすめは「大は小を兼ねる」新型Apple TVと考えます。
リンク:Apple公式サイト(第4世代Apple TV)
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
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